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2015-02-11

ところで、サードウェーブコーヒーってなんなのさ!

ブルーボトルコーヒーが日本に出店したことで、話題になっているサードウェーブコーヒー。数年前から使われていた言葉ですが、認知されそうで、イマイチ広まらない状態が続いていました。ここにきて急に目にすることが多くなりましたが、何がサードウェーブなのかちょっとピンと来ない方も多いのではないでしょうか。

 サードウェーブコーヒー

 

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サードウェーブはアメリカのコーヒーシーンでの話。

 

ファーストウェーブは、19世紀頃。コーヒー豆の大量生産が可能になり、家庭でコーヒーを飲むのが根付いた時代です。気軽に何杯も飲める軽いコーヒーが主流でした。アメリカのコーヒーは薄いというのが定説となり、日本でも、浅煎りで淹れたり、お湯で割ったりする薄いコーヒーを「アメリカンコーヒー」と呼ぶようになります。

 

セカンドウェーブは60年代~90年代、レギュラーコーヒー、グルメコーヒー、ストレートコーヒーなど楽しみ方が増えていき、更には、エスプレッソマシンを使う大型コーヒーチェーン店がぞくぞくオープンしていった時代です。

 

そして2000年代、品質や味、淹れ方、見せ方にこだわった、個性溢れるローカルなコーヒーショップが増えだしたことで、語られるようになったのが、サードウェーブコーヒーです。

 

サードウェーブの背景にはスペシャリティコーヒーの普及がある。

以前のコーヒー豆の取引は、搾取により生活に困窮する生産農家の実態や、偽装が横行している事実、加工や流通の不透明さなどを隠した上で成り立っていました。スペシャリティコーヒーはフェアトレードを行い、豆が消費者に渡るまでの過程を透明化したシングルオリジンです。

定期的に品評会を開催し、農園の規模に関わらず、豆の風味特性を適正に評価しており、品質の良い豆を作る農業が行える体制作りを支援しています。品評会では細かいチェック項目があり、かつての酸味、苦味、コクで括っていた単純な表現に加え、土地の風土や原木、携わる人の手で変わる、豆の香り、質感、後味、甘さなども吟味します。

 

小さな農園のシングルオリジンも手に入るため、バイヤーやロースター、コーヒー店が、これだ!と思うこだわりの豆を見つけ出すことができるのです。大手だけでなく、個人のローカル店舗が豆の分野で個性が出せる時代。それがサードウェーブコーヒーの始まりです。

 

サードウェーブ=ハンドドリップとは限らない

サードウェーブコーヒーを紹介するとき、必ずハンドドリップを取り上げるので、サードウェーブはハンドドリップが主流だと勘違いしそうですが、淹れ方は決まっていません。豆の個性をお客様に伝えるために、一番良いと思う器具であれば、サイフォンでもエスプレッソマシンでもいいのです。とはいえ、これだけ話題になれば、ハンドドリップで淹れたコーヒーを飲んでみたくなるのが人の常。サードウェーブコーヒーがトレンドで終わるか、定着するかは、ハンドドリップが今後の課題になります。

 

サードウェーブコーヒーの課題はハンドドリップの温度、時間、味の均一化

 

*コーヒーが冷めやすい

コーヒーは決して熱ければいいというものではありませんが、熱めのコーヒーに慣れているため、ハンドドリップは比較的ぬるく感じてしまいがちです。

サードウェーブで現在流行っている、専用のホルダーを使うタイプ。これは落ちてくるコーヒー液が空気に触れるため抽出温度が下がります。特に紙コップを使うとどうしてもぬるくなってしまいます。サーバーの上にドリッパーを直に置く従来のタイプは、抽出温度は下がりにくいのですが、それでも手際が悪いと、どんどん冷めていきます。そんなハンドドリップの冷めやすさを補うために、サーバーやカップを温めるだけでなく、淹れる際に置くトレイや台座を保温して冷めない工夫をするのですが、そうしていない店舗も見かけます。

夏はともかく、冬の寒い日は「なんとなく、ぬるい」「二口目には冷めてしまった」と感じているお客様も実際にいるのではないでしょうか。

 

*時間がかかる

一度に落とす時間は3~4分、豆を挽いてフィルターをセットしてなどの作業にかかる時間を含めると全部で長くても7~8分くらいです。それほど時間がかからない印象ですが、同時に淹れる数が限られるため、200杯、500杯となると所要時間が倍倍と増えていき、待ち時間が長くなります。待たずに飲めるコーヒーが普及している今、待ってまで飲みたい1杯でなければ不満が残ってしまいます。

*味の均一化

ハンドドリップコーヒーは味の差別化を図りにくい飲み物です。毎日でも飲みたいと思われるコーヒーは、個性を出しすぎてもいけないし、かといって特徴が無ければ印象に残りません。

どの豆をどのくらいローストして、どんなスタイルで提供するか、試行錯誤しながら、やっと「うちの1杯」が決まっても、それを最高の状態で提供できるかどうかは、店に立つスタッフの技術に左右されます。

コーヒーにお湯を差すタイミングや湯量など、ちょっとしたさじ加減で味が変わるハンドドリップで、常に一定の味を保つのは簡単なことではありません。昔は店主が根気強くスタッフを指導して店の味を継承していましたが、スタッフの入れ替わりが激しい昨今、数日~数ヶ月の研修で店に立たせる為、スケールに乗せて抽出量を量るなど、安定した味が保てるよう各店努力をしています。それでも関るスタッフが多ければ多いほど難しいものです。

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ここ数年、ブームになっているコーヒーシーン。お客様も色々な飲み方を積極的に試して下さるので、カフェを運営している者としては嬉しい限り。でも昔の喫茶店ブームと重なる部分も多く、あの時の二の舞にならないか、ちょっとだけ不安がよぎります。

 

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